額髪ぬかがみ)” の例文
旧字:額髮
額髪ぬかがみの幼な女童めわらは、そのごとく今も囲むに、早や老いてふふむものなし。子をなして幾人いくたりの親、死なしめてあとのこる妻、かしましと世にいふきはか、さて寄りて我にかくいふ。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
額髪ぬかがみ女童めろも交りて、ほつほつと、ひとりひとりに、軽き提げ重きはかつぎて、あなかなし五浦少女、草いきれ暑き小径こみちを、潮しぶく東の磯の潮見堂、その母家おもやまで、山越え野越え。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
額髪ぬかがみゑま女童めわらはこのごとくあどなきものを恋ふとありにし
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
額髪ぬかがみの幼なかりにし俤は五十歳いそとせ過ぎてその亡きあとも
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)