頸飾えりかざり)” の例文
片隅かたすみ外套がいとうを脱捨つれば、彼は黒綾くろあやのモオニングのあたらしからぬに、濃納戸地こいなんどじ黒縞くろじま穿袴ズボンゆたかなるを着けて、きよらならぬ護謨ゴムのカラ、カフ、鼠色ねずみいろ紋繻子もんじゆす頸飾えりかざりしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
公子 (一笑す)私の恋人ともあろうものが、無ければい。が、硝子ビイドロとは何事ですか。金剛石、また真珠の揃うたのが可い。……博士、贈ってしかるべき頸飾えりかざりをおしらべ下さい。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)