頬冠ほおかぶり)” の例文
そして早船乗はやぶねのり頬冠ほおかぶりをした船頭は、かかるのひっそりした水に声を立てて艪をぎいーぎい。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何じゃい。」と打棄うっちゃったように忌々いまいましげにつぶやいて、頬冠ほおかぶりを取って苦笑にがわらいをした、船頭は年紀とし六十ばかり、せて目鼻にかどはあるが、一癖も、二癖も、額、まなじり口許くちもとしわに隠れてしおらしい
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)