順礼じゅんれい)” の例文
旧字:順禮
芭蕪翁のわが詠み捨てた句は、一つとして辞世じせいならざるはなしの徹底芸術精神は、学んで到り得るにあらねども、一順礼じゅんれいの最後の足跡までに、しるしをつけておいた。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
梅川の浄瑠璃じょうるりじゃあないが、あるいは順礼じゅんれい、古手買、節季候せきぞろにまで身をやつす工夫くふうを子供の時から考えていた位です。そうして、かの水野が先例になったのでしょう。
半七捕物帳:33 旅絵師 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
十二番の右は笠着た旅人が笠着た順礼じゅんれい奉捨ほうしゃを与へる処で、順礼が柄杓ひしゃくを突出して居ると、旅人はその歩行をも止めず、手をうしろへまはして柄杓の中へ銭を入れて居る処はく実際を現はして居る。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)