あらず)” の例文
ワグナーの感化の猛烈さは、一時世界の音楽界を引摺ひきずり込んで「ワグナーにあらずんば音楽にあらず」と思わせたことは、あまりにも生々なまなましき事実であったのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
彼は朱子派の儒者として端亮方正たんりやうはうせいの君子として、殊に善書の人として、其交遊の中に敬せられたりき。彼の未だ出でゝ仕へざるや其朋友等相共に広言して曰く百万石の聘にあらずんば応ぜざるべしと。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)