非違ひい)” の例文
……非違ひいは非違として、手前がいささか推理の法に通じていることは、あなたもたぶんご存じのはず。
顎十郎捕物帳:16 菊香水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
日ごろのあることないこと、非違ひい指弾しだんの紛々のうるささに、さしも、かなわじと、敗れ果ててのおん顔……。じじも、無念の涙に、よう詳しくもまだ、伺うてはおりませぬ
万一にも幕府に非違ひいがあれば、敢然と起ってちょうの御盾とならなければならぬ、忠とはそのことのいいだと仰せられました、……靖献遺言がまことに義烈の精神をやしなう書であるなら
菊屋敷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
非違ひいもないのに、なぜ、わが殿は、さまでに、お弱気なのやら。……おれは、たまらぬ、ごうえる。まるで、しゅうと小姑こじゅうとみたいな悪公卿あくくげどもの、もやもやを、見ておられる上皇も上皇だ』