霰弾さんだん)” の例文
小銃と霰弾さんだんとはこもごも発射された。しかし実際は大なる損害を与えなかった。ただコラント亭の正面の上部だけはひどく害を受けた。
だから人民はたまらない。その霰弾さんだんを防ぐ武器としては、充分立派な武器を拵えなくちゃあならん。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
彼はその翌日、百万坪の端にある篠竹しのだけの茂みで捕えられた。「大蝶」の旦那のった猟銃の霰弾さんだんが彼のふくらはぎに当ったのだという。旦那の射撃の腕前は高く評価された。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
貰いものの葉巻を吹かすより、霰弾さんだんで鳥をばらす方が、よっぽど贅沢じゃないか、と思ったけれど、何しろ、木胴鉄胴きどうかねどうからくり胴鳴って通る飛団子、と一所に、隧道トンネルを幾つも抜けるんだからね。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
霰弾さんだんの、赤い泡沫しぶきが、ひもすがら
ロディーの戦いでは、霰弾さんだんの雨注する中にベルティエのそばに立っていた。「ベルティエは砲手であり騎兵であり擲弾兵であった」
彼はその翌日、百万坪の端にある篠竹しのだけの茂みで捕えられた。「大蝶」の旦那のった猟銃の霰弾さんだんが彼のふくらはぎに当ったのだという。旦那の射撃の腕前は高く評価された。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それらのすべての青銅の口からは最後の恐ろしい霰弾さんだんの噴出がほとばしり、地平を出る月の光にほの白く見える広い煙はまき上がった。
彼はマブーフが倒れる所を再び見、霰弾さんだんの下に歌を歌ってるガヴローシュの声を聞き、エポニーヌの額の冷たさをくちびるの下に感じた。
霰弾さんだんの中でひとりの兵士が、「ここはまったく独身者ひとりものの朝飯のようだ」と言ったのを、実際耳にした男をわれわれは知っている。
互いに相助くるイギリスとプロシアとの霰弾さんだん殲滅戦せんめつせん、正面の惨劇、側面の惨劇、その恐るべき崩壊の下に戦線に立つ近衛兵。
村の入り口には防寨ぼうさいが施された。しかしながら、プロシアの霰弾さんだんの第一の連発によって、全軍は再び敗走をはじめ、ロボーは捕虜になった。
ベルヴェデールのアポロンに霰弾さんだんを浴びせるつもりか。弾薬嚢だんやくのうとメディチのヴィーナスと何の関係がある。今時の青年は皆手がつけられないやつらばかりだ。
彼らは足蹴あしげに強い。彼らはあらゆる方面に成長をなし得る。彼らはどぶの中で遊んでいる、けれど騒動があるとすっくと立ち上がる。霰弾さんだんの前にもたじろがないほど豪胆である。
四辻よつつじや通路や袋町で銃火がかわされる。防寨ぼうさいは幾度も奪われ奪い返される。血は流れ、霰弾さんだんは人家の正面にはちの巣のように穴をあけ、銃弾は寝所の人々をも殺し、死体は往来をふさぐ。