雲際うんさい)” の例文
腰から下に、子供たちが群がったところを見ると、与八の巨躯きょくが、雲際うんさいはるかにそびえているもののようです。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
島と湖水と、その背後に迫つてゐる木立の深い山々の上を遠く隔てゝ、一列の雪の峰が雲際うんさいに漂渺と浮んでゐる。湖を隔てゝ見る遠い山の影、猪苗代湖の飯豊山いひでさんを思はせる。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
またはるかの雲際うんさい祖母そぼ山脈、又それに並行した二、三の山脈を見はるかして景色がよい。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
仰いではる 雲際うんさいとり
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)