雪中せっちゅう)” の例文
文「なアに雪女郎は深山しんざん雪中せっちゅうで、まれに女のかおをあらわすは雪の精なるよしだが、あれは天神様へお百度でも上げているのだろう」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ある秀吉ひできちのかいた自由画じゆうがは、これまでになかった特異とくいのものです。少年しょうねんらしい人間にんげん雪中せっちゅうもれてたおれていました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
及び小石川の雪中せっちゅうである。
貞「いや大分雪が降って参りました、わたくし先程台所を明けたらぷっと吹込みました、どうして中々余程の雪になりましたから、此の夜中やちゅうこと雪中せっちゅうたれも参る筈はございませぬ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
藤「成程、そんなら文治郎殿から聞いた、孝心の娘があって雪中せっちゅうに凍えてるのを救って、金をやったが受けぬ、今の世の中には珍らしいと云ってめた娘だろう、それは幸いだ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)