雁影がんえい)” の例文
あるひはだいなる夜泊やはくの船の林なすほばしらあいだに満月を浮ばしめ、その広漠こうばくたる空に一点あるかなきかの時鳥ほととぎす、または一列の雁影がんえいを以てせよ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しこうして又鄭は実に威を海外に示さんとし、は実に異を幽境にえるや論無し。く射る者は雁影がんえいを重ならしめて而して射、はかる者は機会を復ならしめて而して謀る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)