隷書れいしょ)” の例文
唐詩選五言絶句「竹里館ちくりかん隷書れいしょ——(無学文盲の農夫が発病後、曾祖父に当る漢法医の潜在意識を隔世的に再現、揮毫きごうせしもの)
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
保永堂版の亀山の雪の曙、隷書れいしょ東海道の亀山城の元旦などを見ると、この考え方が決して出鱈目でたらめでないことがわかるはずです。
その奥には漾虚碧堂蔵書という隷書れいしょの印がしてある。さてこの手紙を読むにつけていろいろ思い出すことがある。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
例えば隷書れいしょなんかは四角い一種の、あの当時に流行りました石川丈山いしかわじょうざんの隷書なんかとよく似た隷書でありまして、判に彫ったような形をした隷書でありますが
書道と茶道 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
この人は、当代に於て、隷書れいしょを書かせては、第一の名人という評がある。すなわち七言八絶をうたって——
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
篆書てんしょでも隷書れいしょでも草書そうしょでも、学ばずして見事に書くので、見る人みな驚嘆せざるはなかった。
例えば最初どんな字体を習えばよいかと聞きますと、楷書、行書、草書と順をおい、隷書れいしょとか篆書てんしょとかは、あらゆる書を習得した後にやるべきものだということでした。
能書を語る (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
ぼくは主人から与えられた隷書れいしょ千字文の手本を横において習字したり、ツゲ材の稽古判を印挟みに挟んで、刻刀を持つ初歩の稽古彫りなどをそろそろやり初めていたが
遠州の書は定家に類した書風で有名だが、隷書れいしょは独得のものである。漢隷にも明隷にも拠る所なく、純粋の幽風を成していて、石川丈山いしかわじょうざんと共に一家を成しているのがうれしい。
遠州の墨蹟 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
三井親和みついしんなの贈った隷書れいしょ木額もくがくが、かかっている。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)