陰濕じめ/″\)” の例文
新字:陰湿
市井のそこに住む人等ひとたちあふらと汗とが浸潤しんじゆんしてか、地は、陰濕じめ/″\してどす黒い………其のどす黒い地べたに、ぽツつり/\、白くしやれた貝殼かひがらが恰で研出とぎだされたやうになツてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
それでも其の影に映つてゐる間だけ、周三の頭から、びて、陰濕じめ/″\したガスが拔けて、そして其の底にはひの氣にめられながら紅い花のゆらいでゐるのを見るやうな心地になつてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)