関寺小町せきでらこまち)” の例文
最初は絵に見る関寺小町せきでらこまちとか、卒塔婆小町そとばこまちとかいうものではないかと怪しまれたほど、その形がよく画面に見えるそれと似通っておりました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
後には関寺小町せきでらこまちといって、小野小町が年を取ってからここにいたという話があり、今の木像は短冊と筆とを手に持った老女の姿になっていますが
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
なかちかけた額堂の欄間らんまには、琵琶びわを抱いた蝉丸の像や、関寺小町せきでらこまちの彩画や、八けい鳥瞰ちょうかん大額おおがくなどが、胡粉ごふん雨露うろの気をただよわせ、ほこり蜘蛛くもの巣のうちにかけられてあった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関寺小町せきでらこまち——これは座右にある謡本の中にこういう名前が見つかりました。
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
最初の印象の壇の上の、しょうづかの婆さんに紛らわしい関寺小町せきでらこまちが、壇の上からおもむろに下りて来ました。
関寺小町せきでらこまちの遺跡だということですが、それはしかとした考証があるわけではありません、小町の晩年が、関寺にロマンスを残すのは、小町らしい時とところとを得たものであるが、史実としては