長途ながみち)” の例文
じつは、故郷こきやうへの往復わうふくに、ころ交通かうつう必要上ひつえうじやうむを幾度いくど長途ながみちくるまにたよつたため、何時いつとなくるのにれたものであらうとおもふ。……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
引っ返してくる跫音あしおとに、庄次郎はまた、逃げだした。濡れた浴衣ゆかたすそすねにからみついて、とても、長途ながみちはむずかしい。秋葉神社の方へ向いて、半町ほど走ると、いき船板塀ふないたべいが見え、天水桶てんすいおけがあった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)