長槍ちょうそう)” の例文
と、いわせもてず、ひとりが長槍ちょうそうをくりだしてくるのをかわして、咲耶子は手ばやく呼子笛よびこを吹きかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長髯ちょうぜんの豪傑が四つの金襴きんらんの旗を背中にさして長槍ちょうそうを振りまわし、また、半裸体の男が幾人もそろって一斉にとんぼ返りを打ったり、小旦わかおやまが出て来て何か甲高かんだかい声で歌うかと思うと
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
これたまたまもって軍旅のえいぎ、貔貅ひきゅうたんを小にするに過ぎざるのみ、なりというからず。燕王と戦うに及びて、官軍時にあるいは勝つあるも、この令あるをもって、飛箭ひせん長槍ちょうそう、燕王をたおすに至らず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)