長寿ながいき)” の例文
旧字:長壽
国師は足利尊氏あしかがたかうじ発心ほっしんせしめた有名な人ですが、この無窓国師は「長寿ながいき秘訣ひけつ」すなわち長生の方法について、こんな事をいっています。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
いずれまた学校に残ッておるお方は長寿ながいきをなさるだろうし、私は尚更なおさら長寿をするつもりだから、またいつか上ッてつまらぬ演説をする事もありましょう。
人格の養成 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
朝霧淡くひとつひとつに露もちて、薄紫にしべ青く、純白まっしろの、蘂赤く、あわれに咲重なる木槿の花をば、継母はかゆに交ぜて食するなり。こは長寿ながいきする薬ぞとよ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そうでない。戦場に立つ覚悟は覚悟、新嫁を迎えた祝事は祝事。友白髪しらがまでも、じょううばのようにまで、長寿ながいきもしようと心がけるのが、かえってまことの武士というものぞ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まことに無窓国師のいわれる通り、仏の言葉には、嘘がないから、仏は長寿ながいきの人です。不死の人です。いわゆる無限の生命を保てる、無量寿むりょうじゅであるわけです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
ひとの二倍三倍、長寿ながいきしても、やりきれない程な、大きな理想をもっていたのに、まだその望みの中道どころか、しょにもつかないうちに……。死にたくなかったろう……。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の強慾は、「物」ばかりでなく、長寿ながいきにもあったとみえ、日頃から養生にはつとめていたらしい。いちど中風に倒れたことはあったが、また持ち直して頑健をとり戻していたほどである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)