きん)” の例文
これという物も盗まれなかったが、おきんから預かった不思議な手箱を、一つだけ盗まれたということを、小間使のお花から耳にした。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
このとしがくれて、文久ぶんきゅうがん(一八六一)ねんになると、諭吉ゆきちは、おなじ中津藩なかつはん上級士族じょうきゅうしぞく土岐太郎八ときたろはち次女じじょきんとけっこんしました。
「ああ。馬超馬超。いま世上の人々が、馬超の英姿をたたえて、西涼のきん馬超というとか。——あれにみゆるは、まさにその者にちがいない。好い武者振りかな」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊丹屋の主人伊右衛門が或日女房にこう云った「おきん近来ちかごろ変わってきたね。なんだかおちつかなくなったじゃないか」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
数日経ったある日のこと、駕籠に乗った伊丹屋のおきんが、義哉よしやの屋敷へ訪れて来た。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)