“銀箔（ぎんぱく）” の例文
そして彼は、私の銀箔（ぎんぱく）の訪問服へ聖（サン）エミリオンの葡萄酒でその頃理論的に評判のよかったサンジカリズムの絵を描いてくれました。
踊る地平線：09　Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) ／ 谷譲次(著)
或は、その小さな輝きが魚の鱗（うろこ）のやうに重り合つて居るところもあつた。涼しい風が低く吹いて水の面（おもて）を滑る時には、其処は細長い瞬間的な銀箔（ぎんぱく）であつた。
田園の憂欝：或は病める薔薇 (新字旧仮名) ／ 佐藤春夫(著)
なだらかな斜面がここから下って、銀箔（ぎんぱく）をのばしたような湖にとどいている。その岸には高い樹木が立ちならび、木の間がくれにハドソン河一帯の青い丘が望まれるのだ。
スリーピー・ホローの伝説：故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より (新字新仮名) ／ ワシントン・アーヴィング(著)
箱のなかには車があって、それがハンドルの廻転（かいてん）につれて廻（まわ）るようになっており、それと共に調帯が硝子（ガラス）の円筒と銀箔（ぎんぱく）の貼ってある板とを摩擦して電気をおこす仕掛けになっています。
平賀源内 (新字新仮名) ／ 石原純(著)
かの銀箔（ぎんぱく）の歎（なげ）きこそ魔法つかひの吐息なれ
思ひ出：抒情小曲集 (旧字旧仮名) ／ 北原白秋(著)
夜（よる）は黒…………銀箔（ぎんぱく）の裏面（うら）の黒。
思ひ出：抒情小曲集 (旧字旧仮名) ／ 北原白秋(著)