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鉤鼻
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かぎばな
ふりがな文庫
“
鉤鼻
(
かぎばな
)” の例文
するとすぐ眼の前に、みっともない皺くちゃの泣き腫らした顔が見え、その隣には
鉤鼻
(
かぎばな
)
で
頤
(
おとがい
)
の尖った、歯の一本もない老婆の顔が見えた。
女房ども
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
頭を深く胸の上に垂れているので、ほとんど眼は見えないが、頭を垂れているために重たげな広い額とがっちりした
鉤鼻
(
かぎばな
)
とがくっきりと目立つ。
城
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
主人は痩せた小柄の老人で、
鉤鼻
(
かぎばな
)
の眼のひかった男で、そこらに何か落とし物はないかと休みなしにその眼をきょろつかせているような人物であった。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
他の一枚は美しい妙齢の婦人で、
鉤鼻
(
かぎばな
)
で、ひたいの髪を巻いて、髪粉をつけた髪には薔薇の花が挿してあった。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
鼻の附け根には
窪味
(
くぼみ
)
がなくて、額からすぐに、盛りあがっている。小鼻が小さくて食い上がっている。で、そのために高い鼻が、完全の
鉤鼻
(
かぎばな
)
をなしている。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
と蘇古根横蔵は
撥
(
ばち
)
を
据
(
す
)
えて、いつも変わることのない、底知れぬ胆力を示した。そして、海気に焼け切った
鉤鼻
(
かぎばな
)
を弟に向けて、
髻
(
もとどり
)
をゆるやかに揺すぶるのだった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
眼のつつた、唇の厚い、
鉤鼻
(
かぎばな
)
の山本を圭一郎は本能的に厭がつた。上級對下級の試合の折、彼は山本を見事投げつけて以來、山本はそれをひどく根にもつてゐた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
頬骨
(
ほおぼね
)
が秀でて、
鉤鼻
(
かぎばな
)
は大きく、
頤
(
おとがい
)
はこけて、
下顎
(
したあご
)
は下り、白い大きな眼が突き出ている彼の顔の表情は、一般の事物に対する一種の頑固な無頓着さを示しているとはいえ
ペスト王:寓意を含める物語
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
シャンパンのキルクがボーイの
鉤鼻
(
かぎばな
)
から落下すると私のパートナアが横目をつかってボーイに現金で酒代とチップを渡すように催促して別に靴先につける天花粉の代金十
仙
(
セント
)
を請求する。
孟買挿話
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
鉤
漢検準1級
部首:⾦
13画
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
“鉤”で始まる語句
鉤
鉤形
鉤裂
鉤縄
鉤鎌
鉤爪
鉤金
鉤穴
鉤手
鉤曳