里神楽さとかぐら)” の例文
或いは里神楽さとかぐらの山の神の舞に、杓子しゃくしを手に持って出て舞うからというなどは、もっともらしいがやや循環論法じゅんかんろんぽうきらいがある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「ウム、太鼓の音がするな、里神楽さとかぐらの太鼓——子供の時には、あの音にどのくらい心をおどらせたことであろう」
もしくは里神楽さとかぐら類似の神事舞曲の司となっていたもので、後に能楽が流行して来るにつれて、自から転向して家業とし、祭事能を司って来たものであろうと考えられる。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
その時分わたしは、彼等が何のために毎年まいねん芝居を催すか、ということについて一向無頓著むとんじゃくであったが、今考えてみると、あれはたぶん春祭はるまつり里神楽さとかぐら社戯ツエシー)であったのだ。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
そして突然、彼方の里神楽さとかぐらも黙ってしまいそうな大声をあげて
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあとで里神楽さとかぐらが開かれる。素人相撲しろうとずもうが催される。一方では臨時の大漁踊りが催されようというのです。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)