じゆん)” の例文
茫々乎たる空際は歴史のじゆんの醇なるもの、ホーマーありし時、プレトーありし時、彼の北斗は今と同じき光芒を放てり。同じく彼をらせり、同じく彼れをらけり。
一夕観 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
山陽の歿後京都の頼氏には、三十六歳の里恵、十歳のふく、八歳のじゆん、三歳のやうが遺つてゐた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
菅は菅茶山の養嗣子くわん維繩ゐじようである。さて棺の背後を右継嗣又二郎ふく、左其弟三木三郎じゆんが並んで歩いた。次が天野俊平、次が広島頼宗家の継嗣元協げんけふ代末森三輔であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
頼氏では此年山陽のぢよやうが十六歳で早世した。跡にはふくじゆんとの二子が遺つたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)