酒旗しゅき)” の例文
所がちょうど去年の秋、やはり松江へ下った帰りに、舟が渭塘いとうのほとりまで来ると、柳やえんじゅに囲まれながら、酒旗しゅきを出した家が一軒見える。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「おや……酒旗しゅきが見える。……おう小酒屋ではない。すばらしい酒楼ではないか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒旗しゅき高し高野こうやふもとあゆの里
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「うん。一度も行った事はない。が、もう十日ばかりすると、また松江しょうこうくだる事になっている。その時渭塘いとうを通ったら、是非あの酒旗しゅきの出ている家へ、もう一度舟を寄せて見るつもりだ。」
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)