遠廻とおまわ)” の例文
「空を飛ぶ必要はないが、」とまた繰返して言い、「眠りながら歩く、という事は出来ないものかね。」と遠廻とおまわしになぞをかけた。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
わたくしがおくしながら、先夜の女中の箱屋がかの女にむごたらしくした顛末てんまつつい遠廻とおまわしにたずねかけると
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
好加減いいかげん邪推じゃすいまことしやかに、しかも遠廻とおまわしに、おれの頭の中へましたのではあるまいかと迷ってる矢先へ、野芹川のぜりがわの土手で、マドンナを連れて散歩なんかしている姿を見たから
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)