過程かてい)” の例文
私は、そのときまで娘の成長せいちょうを、ほとんど意識の上においていなかった。その成長過程かていについても、いちいち考えてやることのできないような気忙きぜわしい生活である。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
手紙の宛名あてなを大石小石先生と書いてきたりするのだが、人間の成長の過程かていのおもしろさは、母の予言どおりおしゃべりの小ツルを幾分いくぶんひかえ目に、無口な早苗をてきぱき屋に育てていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
その火のはたらきをくぐって僕等の芸術は出来る。それを何ということだ。鋳金ちゅうきんの工作過程かていを実地にご覧に入れ、そして最後には出来上ったものを美術として美術学校から献上けんじょうするという。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)