連亙れんこう)” の例文
貸付けを得た原野は茫々ぼうぼうとして涯が見えなかった。わずかに一方北西のあたりにあたって、連亙れんこうした段丘が見えるだけであった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
白根山塊の前面には、中禅寺湖の南に連亙れんこうせる半月山、しゃ山、黒檜岳、太平山等を含む最高二千米に近い峰巒が臥牛の如く横たわっている、左の端の最も高い地点が太平山である。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
連亙れんこうする奥羽山脈の峰々がなだれ落ちたこのふもとの土地一帯に、そこに埋めた数百年の思いを一ぺんにふり切ろうとしていたのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
例せば西湖の北方に連亙れんこうせる御坂みさか山塊の節刀せっとう岳は、大将軍にも刀にも少しの関係もないセットウ即ち小鳥のホオジロの方言から出た名であるというし、又飛信越三国界の蓮華岳一名三俣岳は
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
黒部川の峡谷を隔てて立山の東に連亙れんこうしている信越国境山脈中の一峰として、はやくから地誌地図等に記載され、一個の山体として取り扱われていたらしいにもかかわらず、元来が越中の称呼であって