“躬(みづから)” の例文
かかれば何事にも楽むを知らざりし心の今日偶(たまた)ま人の相悦(あひよろこ)ぶを見て、又躬(みづから)も怡(よろこ)びつつ、楽(たのし)の影を追ふらんやうなりしは何の故ならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
実(げ)に顔の色は躬(みづから)も凄(すご)しと見るまでに変れるを、庭の内をば幾周(いくめぐり)して我はこの色を隠さんと為(す)らんと、彼は心陰(こころひそか)に己(おのれ)を嘲(あざけ)るなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貫一はほとほと疑ひ得らるる限疑ひて、躬(みづから)も其の妄(ぼう)に過(すぐ)るの太甚(はなはだし)きを驚けるまでに至りて、始て罷(や)めんと為たり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)