豆絞まめしぼり)” の例文
仮髪かつら逆熊さかぐまにて、まげは右へ曲ぐ。豆絞まめしぼりの手拭を後より巻き、前に交叉いれちがはせ、その端を髷の後へ返して、突つ込む。この手拭のかぶりかたは、権太に限りたるものなりと。
見ると安さんは唐桟とうざんの着物に豆絞まめしぼりにかの三尺を締めて立っている。まるで東京の馬丁べっとうのような服装なりである。これには少し驚いた。安さんも自分の様子をながめて首をかしげて
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)