變物かはりもの)” の例文
新字:変物
けれど小供こどもこそまこと審判官しんぱんくわんで、小供こどもにはたゞ變物かはりもの一人ひとりとしかえない。嬲物なぶりものにしてなぐさむに丁度ちやうどをとことしかえない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「ところがあいつは變物かはりものだから、夏も冬服を着てゐる三田公のやうな甲斐性無しと腐れあはうつていふのさ。變物は變物同志、こつちはお米さんと……」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
餘程變物かはりものと見えて、ついぞ他人と口をきいて居るのを見た事も無く、何時も薄暗い上方風の土間になつてゐる臺所で、齒のある下駄を穿いて庖丁の手を動かしてゐる姿丈が記憶にある。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)