謡言ようげん)” の例文
そういうものの、謡言ようげんはなかなか盛んだ。挙人老爺は自身来たわけではないが長い手紙を寄越して趙家と「仲直り」をしたらしい。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
それで一日も早く自分の居城多聞山たもんやませがれを呼び戻したく、たび/\そのことを筑摩家つくまけへ願い出たのであったが、兎角国中に穏かならぬ謡言ようげんが専らである折柄
折も折、宋朝廷の天文てんもん太史院は、都下の謡言ようげんや北斗を占案うらなって、諸州へ乱のきざしを警報してきたところではあり、この事実なので、奉行蔡九さいきゅうは、たちどころに決断をくだし
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小金ヶ原のちんな現象が、江戸の市中までも評判になると、そこに謡言ようげんがある。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すると、西涼一帯に、いろいろな謡言ようげん流布るふされて、州民は、恐慌きょうこうを起した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「蔡大臣への偽手紙にはこう書いておく。——犯人宋江なる者は、世上のわらべ謡言ようげんに照らしてみても、ゆゆしき国罪の張本なれば、軽々しく地方において処刑するな。途中厳重に、都へ差立てい、という偽命令で江州から外へ誘い出す」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)