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諸有
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あらゆ
ふりがな文庫
“
諸有
(
あらゆ
)” の例文
私は人がよく
後指
(
うしろゆび
)
さして
厭
(
いや
)
がる醜い傴僂や
疥癬掻
(
ひつッかき
)
や、その手の真黒な事から足や身体中はさぞかしと推量されるように
諸有
(
あらゆ
)
る汚い人間
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これ神を恐れず、人を恐れず、
諸有
(
あらゆ
)
る世の美徳を罵り尽せし、惨酷なる、
将
(
は
)
た、勇敢なる、反抗と汚辱との石像に非ずして何ぞ。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
仏蘭西
(
フランス
)
で見ると同じやうな
蒼
(
あを
)
い
黄昏
(
たそがれ
)
の微光は甲板上の
諸有
(
あらゆ
)
るものに、
船梯子
(
ふなばしご
)
や欄干や船室の壁や
種々
(
いろ/\
)
の綱なぞに優しい神秘の影を投げるので
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
稽古本
(
けいこぼん
)
で見馴れた仮名より外には何にも読めない
明盲目
(
あきめくら
)
である。この社会の人の持っている
諸有
(
あらゆ
)
る迷信と
僻見
(
へきけん
)
と虚偽と不健康とを一つ残らず遺伝的に譲り受けている。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
こは浮世絵のみならず江戸平民の
諸有
(
あらゆ
)
る美術文学を通じて現はれたる特徴にして
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
晴れた空には早や秋の気が十分に
満渡
(
みちわた
)
っているせいか銀河を始め
諸有
(
あらゆ
)
る星の光は落ちかかる
半輪
(
はんりん
)
の月よりもかえって
明
(
あかる
)
く、
石燈籠
(
いしどうろう
)
の火の消残る
小庭
(
こにわ
)
のすみずみまで
隈
(
くま
)
なく照しているように思われた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
諸
常用漢字
小6
部首:⾔
15画
有
常用漢字
小3
部首:⽉
6画
“諸有”で始まる語句
諸有司