“諳記(あんき)” の例文
併し全体として写生力が足りなく、諳記(あんき)により手馴れた手法によって作歌する傾向が見えて来ている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
勿論(もちろん)その外交秘密の書翰を宅に持(もっ)て帰ることは出来ない、けれども役所に出て飜訳するか或(あるい)は又外国奉行の宅に行(いっ)て飜訳するときに、私はちゃんとソレを諳記(あんき)して置(おい)て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あの几帳面(きちょうめん)に見える園には不思議な現象だと人見の思うのはこのことだけだった。あれで園はいつどこにいくら入れたということをちゃんと諳記(あんき)しているのかもしれないとも思った。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
脚本の長い白(せりふ)を一々諳記(あんき)させられてはたまりません。大家のお方の脚本は、どうもあれに困ります。女形ですか。一度調子を呑み込んでしまえば、そんなにむずかしくはございません。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一時は「水滸伝」の中の一百八人の豪傑の名前を悉く諳記(あんき)してゐたことがある。その時分でも押川春浪氏の冒険小説や何かよりもこの「水滸伝」だの「西遊記」だのといふ方が遥かに僕に面白かつた。
愛読書の印象 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
学生が地理歴史の諳記(あんき)に便する和歌等のものである。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
いまだ諳記(あんき)してものを云っているようなところのないのを鑑賞者は見免(みのが)してはならぬだろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)