請状うけじょう)” の例文
鉄太郎とか鉄五郎とかいうのであろう、請状うけじょうには名前は書いてあるはずだが、二十八になる良い若い者で、鉄、鉄で通っている
のお請状うけじょうの一通をおさめて、勅使の岡崎中納言の一行は、その翌日、すぐ帰洛きらくの途についた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今度という今度は、容易に請状うけじょうも出しかねるというのが助郷側の言い分である。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
魂の請状うけじょうを取ろうとするのでありますから、その掛引は難かしい、無暗むやみと強いられて篠田は夢うつつともわきまえず、それじゃそうよ、請取ったと、挨拶があるや否や、小宮山は篠田のもとを辞して
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「土間で請状うけじょうを待っておりますがの」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)