誣告ぶこく)” の例文
勿論それは、相手が県内でも有数な勢力家であるために、針小棒大に誣告ぶこくして司直の手を煩はしたことかも知れない。
黒谷村 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
他の誣告ぶこくはすべて黙殺に付すべし、この質問は少なくとも誣告ではない、事実にあたった言であります。ゆえにイエスの聖なる唇は始めてほころび
ことごとく無根の捏造説ねつざうせつであることを断言します——そもそも此の誣告ぶこくを試みたる信用すべき人物とは、何物でありますか
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「ほかでもない、あなたが……誣告ぶこくをやったということです、これがわたしのことばの意味です!」
いわくサンドミンゴ・デラ・カルザダで一女巡礼男に据え膳を拒まれた意趣返しに、その手荷物中に銀の什器じゅうきを入れ窃盗と誣告ぶこくす。その手荷物を検するに果して銀器あり。
悪党から金を取り返さねば、奴をぶちこんでやると意気込んで家を出かけた父親は、ついには却って相手から誣告ぶこくだと云って訴えられた。父はたまらなかったのだ。百円や千円は問題ではなかった。
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
会衆は再び騒ぎ立てり「畜生」「馬鹿野郎」「除名せよ」「斬つて仕舞へ」等の声は一隅より囂々がう/\と起れり「誣告ぶこく」「中傷」「証拠を示せ」等の声は他の一隅より喧々けん/\と起れり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
諸君、余を指して誣告ぶこくそしりめ給へ。何となれば、真理に誓つて彼は禿頭である。尚疑はんとせば諸君よ、巴里府モンマルトル Bis 三番地、Perruquier ショオブ氏に訊き給へ。
風博士 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「僕が篠田の誣告ぶこくでもすると云ふんですか」と、吾妻は憤然ふんぜんとして浦和に詰め寄る
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
諸君、余を指して誣告ぶこくそしりめ給え、何となれば、真理に誓って彼は禿頭である。尚疑わんとせば諸君よ、巴里パリ府モンマルトル三番地、Bis, Perruquier ショオブ氏に訊き給え。
風博士 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)