誘降ゆうこう)” の例文
「いや、まったくは降伏でない。誘降ゆうこうの上書を奉ったものにすぎぬ。それをしも、悪推量わるずいりょうして、さわぎ立てする者あらば、斬ってしまえ」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岡崎の大賀おおが一味が裏切りの策も齟齬そごし、また、長篠の城内へ、信長の使いと偽って、誘降ゆうこうの矢文を射たが、それもまず失敗のかたちに終った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大軍を配して山崎から天王山へ本陣をすすめた後、信長は、このふたりを、誘降ゆうこうすることに成功した。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この一族が、節義を立てて、当初から光秀の誘降ゆうこうをしりぞけ、断乎だんことして、反明智を守り通したことは、筒井順慶などにくらべると、大いにとしなければならない。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幕府崩壊のあとの、有象無象うぞうむぞうの策動やら、浮動分子ふどうぶんし誘降ゆうこうやら、探りやら抑えやら、いろいろな裏面症状にたいして、この一毒をもって諸〻もろもろの毒素を制して来たものである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せっかく誘降ゆうこうの使いをやったのにそれを拒絶したという報告を聞けば、曹操はたちまち
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高山右近の誘降ゆうこうによるものであった。右近も功として、太刀たちや馬を拝領した。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「徳川勢から、大久保、鳥居の名をもって、誘降ゆうこうの軍使が来ました」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)