詩人うたびと)” の例文
くろがねの詩人うたびとよと、彼は卓一の幻に向つて呼びかけた。怖れとあやしみの子供よ。わたつみの水の心の夢くらふ男。
「じゃとどのつまり、君たちは兄弟の盃ブルーダーシャフトというわけでめでたしめでたしか! あっはっは! 相擁して泣いたというわけか! ああ君たち、シルレルのともがらよ、詩人うたびとよだ!」
聞きつつも、ただにまどろむ。同じからずや、詩人うたびとよ、君がさだめのうぐいすに……
文学的自叙伝 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
この潯陽じんよう城の船着きは、むかし白楽天はくらくてんとかいう詩人うたびとが、琵琶行びわこうっていう有名な詩をのこした跡だっていうんで、琵琶亭びわていがあるし、それから船で琵琶をいて、旅のお客さまにとぎをするおんながいるんでさ。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聖僧どるいども、詩人うたびとも、楽人も、琴手も、騎士も、マカにかしずく
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
詩人うたびとならぬ身をこそ恨め
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
かの西の国の詩人うたびと
「わすれなぐさ」はしがき (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
歌ひよ。詩人うたびとよ。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
くろがねの(所信に富める)詩人うたびとここにねむる