言甲斐いいがい)” の例文
一 下女を使つかうに心をもちうべし。言甲斐いいがいなき下﨟げろうならわあしくて知恵なく、心奸敷かしましくものいうことさがなし。夫のこと舅姑こじゅうとのことなど我心に合ぬ事あれば猥にそしきかせて、それを却て君の為と思へり。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかしその日家へ帰ってから一ト寐入りして目をさますと、一時激昂した心も大分おちついている。それと共にこのまま何事をも知らぬ顔に済してしまうのは、あまり言甲斐いいがいがなさ過る。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)