言尻ことばじり)” の例文
学円 ああ、うっかり泊りなぞお聞きなさらぬがい。言尻ことばじりに着いて、宿の御無心申さんとも限らんぞ。はははは、いや、串戯じょうだんじゃ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勝美かつみ夫人の問題へ話題を進めようと思いましたから、早速三浦の言尻ことばじりをつかまえて、『そんなに君が旧弊好きなら、あの開化な細君はどうするのだ。』と、さぐりのおもりを投げこみました。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「フム、ひと言尻ことばじりつかまへて反抗はんこうするんだな。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「それでは、当伊勢はおれ遊ばしたもので、この辺には御親類でもおありなさりますという。——」と、婆々は客の言尻ことばじりについて見たが、その実、土地馴れぬことは一目見ても分るのであった。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)