襯衣はだぎ)” の例文
地蜂の親は甚だ小型でからだ全体が青灰色を呈し、腹から尻にかけラグビーの襯衣はだぎのような横縞がある。だから、縞蜂とも言っている。穴蜂ともいう。
採峰徘菌愚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
ハンカチもあれば襯衣はだぎもあるから、おれはなわをすぐになうことができる、おまけにズボンりがあるぞ——何もこのうえ、世の中の荷やっかいになって
觀棚は内壁の布張汚れ裂けて、天井は鬱悒いぶせきまで低し。少焉しばしありて、上衣を脱ぎ襯衣はだぎの袖をからげたる男現れて、舞臺の前なる燭をともしつ。客は皆無遠慮に聲高く語りあへり。
いつもの年ならば、人々は、襯衣はだぎ一枚となり、あついあついと汗をふき、氷水をのむのであったが、その年の七月八月は、まるで高山の上に暮しているように寒冷をおぼえた。
第五氷河期 (新字新仮名) / 海野十三(著)
顔を磨きたいと思ったら料理法を研究して食物で色を白くするがよい。西洋人は滅多めったに入浴せんけれども毎日襯衣はだぎを取かえたり、夜具蒲団やぐふとんのシーツをとりかえるからあかが身につかない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)