第五氷河期だいごひょうがき
氷河狂の老博士 「氷河狂」といえば、誰も知らない者はない北見徹太郎博士は、ついに警視庁へ出頭を命ぜられた。 老博士は、銀髪銀髯の中から、血色のいい頬を耀かせ、調室の壊れかかった椅子に傲然と反り身になり、ひとり鼻をくんくん鳴らしていた。 「う …