うは)” の例文
大抵の場合、作家と批評家とが向き合ふと、うはつらは互に感心したやうな事を言つて、腹のなかでは孰方どつちからも馬鹿にし合つてゐるものなのだ。二人は持合せのお世辞を取り交した。
平三はうはべに親切を装ひながら腹の中で巧く逃げるつもりであつたのだ。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)