蜿蜒ゑんえん)” の例文
からかひ半分にやつてゐるやうにさへ思へたものだ——進駐軍が蜿蜒ゑんえん幾十台ものトラックで米大使館の周辺に乗りつけるやトラックから一斉に飛び降りた兵隊らが
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
昨日きのふ仰ぎし惠那岳えなだけは右に、美濃みの一國の山々は波濤の打寄するが如く蜿蜒ゑんえんつらなわたりて、低き處には高原をひらき、くぼき處には溪流をはしらせ、村舍の炊烟すゐえん市邑しいう白堊はくあ、その眺望の廣濶くわうくわつなる
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
蜿蜒ゑんえんとして衣桁いかうに懸る処、恰も異体いたいにして奇紋きもんある一条の長蛇の如く、繻珍しゆちん、西陣、糸綿、綾織繻珍あやおりしゆちん綾錦あやにしき純子どんす琥珀こはく蝦夷錦えぞにしき唐繻子たうじゆす和繻子わじゆす南京繻子なんきんじゆす織姫繻子おりひめじゆすあり毛繻子けじゆすあり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
やがて蜿蜒ゑんえんたるもとの姿にかへつたが