虚誕いつわり)” の例文
黒衣こくえ棲居すみかを立出でしが、かれが言葉を虚誕いつわりなりとは、月にきらめく路傍みちのべの、露ほども暁得さとらねば、ただ嬉しさに堪えがたく
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
金眸はおおいに怒り、「さては黒衣が虚誕いつわりなりしか。さばれ何ほどの事かあらん」ト、いひつつ、鷲郎を払ひのけ、黄金丸につかみかかるを、ひっぱづして肩をめば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
われ曹くより爾が罪を知れり。たとひ言葉をたくみにして、いひのがれんと計るとも、われ曹いかで欺かれんや。重ねて虚誕いつわりいへぬやう、いでその息の根止めてくれん
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)