藪地ジャングル)” の例文
突然行手の藪地ジャングルの中から支那語の叫び声が聞こえて来た。袁更生の一味の者が先廻りをしていたに相違ない。背後からは土人が追っかけて来る。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ほとんど幾十という人間の顔が藪地ジャングルから私達の方を瞬きもせずにみつめている。それは確かに人間の顔だ。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
突然前方の森林の中から鳥獣の悲鳴が聞こえたが、それと一緒に藪地ジャングルを分けて虎が一匹走り出した。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
伏見街道を五里ほど行った地点の、街道を外れた広大な藪地ジャングルに、うごめく一つの人影があった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大藪地帯だいジャングルを押し分けて、奥へ奥へと歩いて行く、きぬずれの音を聞くことが出来、やがて遙かの藪地ジャングルの底から、重い扉でも開くような鈍い物うい音がして、つづいて多勢の若い女の
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
やがて藪地ジャングルの裾まで来た。と、にわかにスペイン猫、ひと所をグルグル廻り出した。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この藪地ジャングルは四方十里、それほどにも渡る広大なもので、沼あり河あり丘あり谷あり、それを蔽うて松、杉、かしわひのき、からまつ、くぬぎくり白楊しろやなぎなどの喬木類が、昼は日光、夜は月光をさえぎ
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)