藍無地あいむじ)” の例文
吉川と云う方は、明石縮あかしちぢみ単衣ひとえに、藍無地あいむじの夏羽織を着て、白っぽい絽のはかま穿いて居た。二人とも、五分もすきのない身装みなりである。
大島が出来る話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
もう一つ、これはやや皮肉な見方だが、麻の衣服は少しく長く持ちすぎる。伊豆の新島にいじまから友人が写してきた写真では、七十二三の老女が嫁入の時にこしらえたという藍無地あいむじ帷子かたびらを着ている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)