薬鑵やくわん)” の例文
旧字:藥鑵
代助から見ると、誠吾はつるのない薬鑵やくわんと同じことで、何処どこから手を出していかわからない。然しそこが代助には興味があつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そして台所の附近まはりをうろ/\捜し廻つてゐたが、お茶が入れてないのを見ると、急にむつかしい顔をして薬鑵やくわんの湯を台所一杯にぶちけて引き揚げて往つた。
薬鑵やくわん土瓶どびん雷盆すりばちなどいづれの家にもなし、秋山の人家じんかすべてこれにおなじ。今日秋山に入りこゝにいたりて家を五ツ見しが、あはひえかりこむころなれば家にる男を見ず。
薬鑵やくわんの音がしてゐます