薄眼うすめ)” の例文
そのたくさんの首は、いずれも薄眼うすめをひらいて、元帥の言葉を、しずかに待ちうけているようであった。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
寝床へ入ってから、あまり静かなので、眠っているのかと思って薄眼うすめをあけてうかがうと、梓さんは、闇のなかで大きな眼をあけて、瞬きもせずに天井をみつめていた。
この顔中紫にれ上った「物」は、半ば舌を吐いたまま、薄眼うすめに天井を見つめていた。もう一人は陳彩であった。部屋の隅にいる陳彩と、寸分も変らない陳彩であった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おもほえず父の薄眼うすめのたどたどに日月も知らずなりまさむとき
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
おもほえず父の薄眼うすめのたどたどに日月も知らずなりまさむとき
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
牧野は葉巻の煙の中から、薄眼うすめに彼女を眺めていた。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)