トップ
>
菊石面
>
あばたづら
ふりがな文庫
“
菊石面
(
あばたづら
)” の例文
なるほど、
菊石面
(
あばたづら
)
の赤いきたない疱瘡の神が、まるで大きな
章魚
(
たこ
)
のやうに王様のお体に、ぴつたりと吸ひ付いてをります。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
「ぐじゃっぺは
菊石面
(
あばたづら
)
のことです。行って見たら痘痕があるから
厭
(
いや
)
だというのです。
種痘
(
しゅとう
)
以前からある歌と見えますな」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
びっくりした松川源十は、
菊石面
(
あばたづら
)
をふくらませて、膝を乗りだした。ほかの連中の眼も、ぎらぎら光っている。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「それを掘り当てようため、十人の雛妓が懸命に
穿
(
ほじ
)
る箸の尖で、あの結構なお庭が一とき
菊石面
(
あばたづら
)
になったわけ」
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
吾々の
菊石面
(
あばたづら
)
も
面皰
(
にきび
)
も地下に眠らせるほどみにくいものでないやうな気がしました。
谷丹三の静かな小説:――あはせて・人生は甘美であるといふ話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
先生は色の黒い
菊石面
(
あばたづら
)
で、お媼さんは四角い白っちゃけた顔の、上品な人で、昔は
御祐筆
(
ごゆうひつ
)
なのだから
手跡
(
しゅせき
)
がよいという評判だった。
御新
(
ごしん
)
さんはまだ若くって、可愛らしい顔の女だった。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
菊石面
(
あばたづら
)
の四十男、喜介がヒョイと顔を出した。「へいへいこれはお色さん」
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、ヌーツと自分の
菊石面
(
あばたづら
)
を突出し、今度はギヨツと寒がらせたと云ふ。
吉原百人斬り
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
重い
疱瘡
(
はうさう
)
にかゝつていらつしやるのを知らないか? あの
菊石面
(
あばたづら
)
の赤い疱瘡神は、王様のお体に、その一万もある針を、すつかりさしこんで、毒を入れてゐる。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
と、もう、
菊石面
(
あばたづら
)
を真赤に染めている源十が、すこし、声を落した。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「六ゾロの源」は、びっくりして、
菊石面
(
あばたづら
)
の長い顎をつまんだ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
菊
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“菊石”で始まる語句
菊石