茶寮さりょう)” の例文
懇意な友人の新婚披露ひろうに招かれてほしおか茶寮さりょうに行った時も、着るものがないので、袴羽織ともすべて兄のを借りて間に合せた事もあった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それがしの宮の催したまひしほしおか茶寮さりょう独逸会ドイツかいに、洋行がへりの将校次をうて身の上ばなしせし時のことなりしが、こよひはおん身が物語聞くべきはずなり
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「どうやら、ここはどなたかのご茶寮さりょうのようにも思われまするが、あなたさまは?」
それ故大正改元のころには、山谷さんや八百善やおぜん、吉原の兼子、下谷したやの伊予紋、ほしおか茶寮さりょうなどいう会席茶屋では食後に果物を出すようなことはなかったが、いつともなく古式を棄てるようになった。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)