茨城いばらき)” の例文
埼玉さいたまや、茨城いばらきほうからくるんだ。おおきないし機械きかいにかけて、こんなにこまかにして、電車道でんしゃみちや、河川工事かせんこうじ使つかうのさ。」と、そのおとこは、こたえました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうしてわれながら驚いたのは、どうも赤毛布あかげっとと並んで歩くのが愉快になって来た。もっともこの男は茨城いばらきか何かの田舎いなかもので、鼻から逃げる妙な発音をする。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
太平洋岸は茨城いばらき・福島の境まで、日本海側は富山県を限りと言われているが、それも種類が少なく美しいものはなく、ことにうつせ貝のあざれて浜に寄るものばかりで
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それは茨城いばらきの方で、以前関係のあった男が、そこで鰻屋うなぎやの板前をしていることも打ち明けた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そっちこちで悪いうわさが耳に入り、そのうち放浪時代から付きまとっていた、茨城いばらき生まれの情婦が現われたりして、彼女が十年働いてめた貯金も、あらかたその手切れに引きされてしまった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)