芽出度めでたい)” の例文
今朝けさから、というより昨日きのうから、芽出度めでたい芽出度といって、何かにつけてはお酒を飲んでいるので、あんぽんたんはそれをまた心配していた。
赤の飯、刻鰑きざみするめ菎蒻こんにゃく里芋蓮根の煮染にしめ、豆腐に芋の汁、はずんだ家では菰冠こもかぶりを一樽とって、主も客も芽出度めでたいと云って飲み、万歳と云っては食い、満腹満足、真赤まっかになって祝うのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
御介抱もうしたる甲斐かいありて今日の御床上とこあげ芽出度めでたい芽出度めでたけれど又もや此儘このまま御立おたちかと先刻さっきも台所で思い屈して居たるに、吉兵衛様御内儀が、珠運様との縁たくば其人様の髪一筋知れぬようにぬい
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)